普段何気なく当たり前に使っている言葉でも、由来や語源を調べてみると、意外な意味があったりします。
そういえば猫にまつわるものも沢山あるけれど、意味を知っているようで知らないものも結構あったので、ぱっと思い浮かぶ身近なことわざや慣用句を集めてみました。
猫好き目線がかなり入っているので、若干余計な解釈も混じってますがご了承下さい(^^;)
また、よく耳にする言い伝えも併せて紹介します。
目次
猫にまつわることわざ・慣用句
猫に小判
どんなに貴重なものや良いものであっても、その価値がわからない者にとっては何の役にも立たないこと。
ところで、「猫に小判」で私は「招き猫」が浮かんだのですが、価値がわからないのになぜ招き猫は小判を持っているのか…?と素朴な疑問が。
調べてみたところ、元々の招き猫は小判は持っていなかったそうで、正確な理由は分かっていないとか。縁起物を組み合わせたという説も。
猫の額
猫の、あるのか無いのかわからないような小さなおでこにたとえ、場所がとても狭いという意味で使われます。「猫の額ほどの広さしかない」など。
借りてきた猫
いつもの様子と違い、非常におとなしくよそよそしいことを言い、猫が環境や場所の変化に警戒して固まっている様子からたとえられたそうです。
「借りてきた猫」には、語源があるようです。
古来の日本では、ネズミ駆除のために実際に猫の貸し借りが行われていたとのこと。
ところが、借りてきた猫にネズミ捕りをさせようとしたものの、緊張でその場に固まってしまった、というエピソードがあるようです。
たとえる時はちょっと皮肉を込めて使われる言葉のような気もしますが、エピソード自体は何とも猫っぽくて想像すると微笑ましいですね(^^)
猫をかぶる
本当の性格を隠しておとなしそうに見せること。
ゴロゴロと甘えてみたり、可愛いしぐさで人を和ませてくれる猫ですが、急に素っ気ない態度になってみたり、時には攻撃的になったりすることも。
特に獲物を狙っている時などは、本来の狩猟本能が垣間見え、どこか人を寄せ付けない雰囲気すらあります。
そんな本性の見えない猫の気質にたとえた言葉として知られています。
また、「ねこだ」というわらで編んだむしろ(ねことも呼ぶらしい)を被って、知っているのにとぼけて知らないふりをすること、という意味もあるようです。
猫なで声
猫が甘えている時に出す鳴き声。
スリスリしながらあの独特の甘い声で鳴かれるとメロメロになってしまう人も多いのでは?
また、人が猫をなでている時、無意識にちょっと高めの優しい声になったりしますが、それを猫なで声ということもあります。
人が人に対して「猫なで声」を使うときは、ご機嫌取りや媚びた印象として捉えられることが多いです。
猫の手も借りたい
誰でもいいから手を貸してもらいたい、というくらい忙しいこと。
猫の手は何の役にも立たないというのが前提なので、ちょっとかわいそう!?
例えば、障子を張り替えたい時に破ってもらうとか、虫を退治してもらうとかは猫の手も役に立つかも(^^)
猫も杓子も
誰でも彼でも、何でもかんでも。
由来は、
・禰子(ねこ:神主の子孫)も釈子(しゃくし:僧侶の弟子)も
・女子(めこ:女)も弱子(じゃくし:子供)も
・主婦がよく使う道具→しゃもじ=杓子で、「家にいることが多い猫も主婦も、一家総出で」
など、諸説あるそうです。
ねこばば
ねこばばを漢字で書くと、「猫糞」なんだそうです。
猫が糞(ばば)に砂をかけて隠す様子にたとえ、悪いことを隠したり、落とし物を拾っても、黙って自分のものにしてしまうことなどを言います。
窮鼠猫を噛む
追い詰められて窮地に立たされた鼠(ねずみ)が猫に噛みつき反撃することがある、とされていることから、
弱いものが追い詰められることで思わぬ力を発揮し逆襲することもあるので侮ってはいけない、また逃げ場のないところまで追い詰めすぎてはいけない、ということ。
犬は人につき、猫は家につく
犬は人によく懐くが、猫は人よりも慣れ親しんだ家や場所につくということ。
犬はよく人と一緒に車でお出かけしているけど、猫はあんまり見ないような…。
そういえば昔、田舎へ帰省するときに猫を連れて行ったことがあったのですが、パニックを起こしてそこら中をかけずり回ってしまい、大騒ぎだったことがあります(^^;)
人に従順な犬に対し、猫は人に甘えてくることはありますが、基本的には気ままで単独行動を好みます。
また、猫を譲り受けた場合など、ある程度育った猫を飼うときは、新しい家に慣れるまでそれなりに時間がかかりますよね。
猫はテリトリー意識が強く、慣れ親しんだ場所を好むことから、家につく、と言われるようです。環境の変化に敏感なため、頻繁な引っ越しはストレスかも。
猫かわいがり
何を置いても可愛い、というくらいとにかく甘やかし可愛がること。孫を可愛がる様子によくたとえられますね。
私は犬も好きは好きなんですが、猫となると人懐こくてもクールでも、子猫でも成猫でも無条件に可愛いと思ってしまうくらい別格なので、まさに猫かわいがりです(笑)
猫にまつわる言い伝え
猫は死に目に姿を消す?
「猫は自分の死期を悟ると飼い主の元から姿を消して、ひっそり死を迎える」というのを私も昔良く耳にしていました。
確か、子供の頃飼っていた猫も最後は外に出たまま見つからなかったという記憶がうっすらあり、その話を信じ込んでいたのですが、実はそうではないようです。
猫は具合が悪くなったとき、本能的に敵から身を隠そうとするため、人目につかない安全な場所で静かに体を休めるのだそうです。
昔は半分外飼いという猫も多かったので、残念ながらどこかで事故に遭ってしまった、というケースもあるでしょうが、
家の外に出てどこかへ隠れたまま人に見つからずに死を迎えた…ということもあったのかもしれません。
現在は元々室内飼いの猫が多いため、最も落ち着ける場所は家の中。飼い主さんのもとで安らかに最期を迎える、というのが一般的になりました。
猫にはお化けが見えている?
ふと天井のあたりを見上げる猫。虫でもいたのかな?とその視線の先を追ってみても、特に何も見えない…。
よく目にする光景で、人には見えない何かが見えているの?もしかしてお化け!?とか思ったことはありませんか?
猫の聴覚は人間の4~5倍、もしくはそれ以上とも言われており、嗅覚も犬よりは劣るものの、人間の数十万倍はあると言われています。
それだけ優れた感覚を持っていたら、一体どんな音や匂いがするのでしょう?人が感じないものを色々と感じとっていても不思議ではないですね(^^)
黒猫、三毛猫、サビ猫は幸運を呼ぶ「福猫」
・黒猫
中世の「魔女狩り」の歴史から、不吉なイメージを持つ人もいる黒猫ですが、日本ではもともと魔除けや商売繁盛の象徴として重宝されてきた福猫なんだそうです。
・三毛猫
招き猫のモデルにもなっている三毛猫。日本では三が縁起の良い数とされていることや、体が丈夫で長寿の猫が多い、などの理由から福猫と言われています。
中でも三毛猫のオスは出生率がとても低いため、特に縁起が良いとされてきました。
・サビ猫
黒と茶の毛色が混ざった独特な柄をしているサビ猫。三毛猫の一種で、オスは滅多に生まれないそうです。賢くて飼いやすいとも言われており、最近福猫として人気があるそうです。
猫が耳の後ろを洗うと雨?
猫はよく顔を洗いますが、耳の後ろまで洗うと雨が降る、という言い伝えがあります。
猫にとって大事なセンサーである「ひげ」が湿度の変化や低気圧を感じとり、気になって念入りに毛づくろいをするためという説がありますが、本当のところは分かっていません。
猫が帰ってくるおまじない
普段猫を外に出さないようにしているけど、玄関を開けた隙に脱走してしまった!という経験はありませんか?
探してもなかなか見つからないと、どこかで事故に遭っていないか、迷って帰れなくなっていないかと、とても不安になりますよね。
そんな時の有名なおまじないがあります。
「立ち別れ いなばの山の 峰に生ふる まつとし聞かば 今帰りこむ」
百人一首の中にある歌で、これを紙に書いて貼っておくと、行方不明になった猫が帰ってくるというものです。(餌入れの下に置く、などもある)
実際に昔飼っていた猫と今実家にいる猫が脱走したときも、このおまじないで無事見つかりました。
このおまじないの後に探したら、それまで探していなかった場所に何故かふと目が向き、見つかったので、あながちただの気休めというわけではなさそうですよ。
まとめ
猫にまつわることわざや慣用句、言い伝えの中から、日常よく使いそうなものやよく耳にするものを紹介してみました。
ここに載せたのはほんの一部で、猫にまつわる言い伝えやことわざはまだまだ沢山あります。
きっとそれだけ猫は昔から人々の生活と密接に関わっていた、ということなのでしょうね。
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